Mason London(メイソン・ロンドン)|音楽のあるご機嫌な日常

今回どうしても紹介したいアーティストがいる!ということで筆を取りました。Mason London(メイソン・ロンドン)というアーティストネームで活動するJoe Prytherch氏の作品です。事前にリサーチしているのですが、日本での活動実績がほぼ無く、海外の情報ソース中心です。とにもかくにも、まずはその最高にご機嫌な作品の一部をご覧ください。虜になる事間違い無しです。

音楽のある日常に没入させるモーショングラフィック

彼の作品の中でも特に私が衝撃を受けたのが、以下一連のモーショングラフィック作品。ジャズ・ピアニストでありながらも、ヒップホッププロデューサー等様々な一面を持つkieferに提供されたシリーズです。音楽のある空間を日常的に表現しながらも、細部に遊び心やファンタジックな要素が盛り込まれており、kieferのジャジーな世界観に没頭させてくれます。本当に何時間でも見ていられる!!見れば見るほど、新たな発見があり、発見があるたびにそこに物語を感じます。確かな画力と想像力がかけ合わさった作品です。大好物です。


Kiefer – Friends


Kiefer – Everybody Loves the Sunshine, feat. Theo Croker


Kiefer – Superhero


Kiefer – 10,000 Days – Superbloom

どれも最高なのですが、「Kiefer – Friends」の作品がとにかくクール。創作活動の合間の1シーンなのか、はたまたハッピーな宴の余韻か。固定された1視点から多彩に繰り広げられる物語。いずれの作品もインテリアや小物の描き方、動かし方がいちいち憎らしいほどにかっこいい。様々なストーリーを想像させるのはこう言った細部の書き込みと、スポットの当て方が絶妙だからに違いありません。

Mason London(メイソン・ロンドン)とは何者なのか?

これだけの魅力的な作品を発信し続けるアーティストが有名でないはずはない!という事で調べ始めましたが、日本での活動記録はほぼなく、日本語で紹介されている記事もほぼありませんでした。海外に少しインタビュー記事と、Mason Londonこと、Joe Prytherch氏のポートフォリオサイトがありましたので情報を要約して紹介したいと思います。

 Mason London(メイソン・ロンドン)とは? 

アーティスト名Mason London(メイソン・ロンドン)
本名Joe Prytherch
出身イギリス
出身校サセックス大学
活動拠点スウェーデン ウプサラ
活動内容デザイナー、イラストレーター、アニメーター
利用ソフトウェアIllustrator / Photoshop / AfterEffects / AdobeAnimate
影響を受けた人物Stefan Sagmeister
WEBサイトhttps://masonlondon.com/
SNS Twitter / Instagram / Youtube / Vimeo
インタビュー記事2019年 3月26日 CREATIVE LINES IN PROGRESS
日本での活動 BEAMS Tとのコラボスェットを2019年に販売

<略歴 -上記インタビュー記事より抜粋->
大学在学中、友人の音楽プロジェクトのためのポスターをデザインしたことでポートフォリをを構築。以後、主に音楽業界を中心に、その他スポーツブランドなどのクライアントに対して、デザイン、イラスト、アニメーションを提供。その他、ロンドンの音楽プラットフォームであるBoiler Roomのアートディレクターを務めた後、現在はスェーデンのウプサラを拠点にフリーランスとして活動。

音楽と組み合わさる事で生まれる多彩な表現

Mason Londonの作品を掘り下げていくと、コラボレーションする音楽によって更なる奥深さを知ることになります。Kieferの作品では、視点は固定されていましたが、他のミュージックビデオでは視点が目まぐるしく移動するものも。以下その多彩さを感じる作品をいくつかピックアップしました。


Dream Wife – Hey Heartbreaker (Official Music Video)


JME & Tempa T ft. Skepta – CD is Dead [1979 Edit]
Nike – Revolution of Swoosh

特に「CD is Dead」のための作品ですが、パソコンのディスプレイ上で歌詞をモチーフに目まぐるしく展開されており、これも日常的でありながらも、なんてクリエイティブなんだ!と嫉妬せざるを得ない表現です。なんと表現して良いか自分の中でも整理がつかない部分があるのですが、Mason Londonの作品の共通点は、日常と音楽を組み合わせる事で生まれる、非日常的な感覚をイラストレーションと動きで表現している点なのかもしれません。

Mason Londonの作品に共感する理由

これは完全なる主観なのですが、Mason Londonの一連のモーショングラフィックはどこか日本的であると感じました。俯瞰的な視点で固定された構図や、日常の生活を細かく書き込み、所々に最高のユーモアが含まれている点などは、江戸時代の庶民の生活を描いた浮世絵に通づるものがあるかも知れません。

そもそも、私自身がそう言った構図をこよなく愛しているからというのもあります。日本のモーショングラフィックスで私が昔から大好きなのがgroovisionsが手がける作品です。以下はまさしく浮世絵的な構図であり、groovisionsならではのやり方でユーモアを持って表現されています。もちろんMason Londonの作風とは全く異なりますが、こう言った部分に共通点を見出し親しみを感じているのだと思います。ぜひどこかで、Mason Londonとgroovisionsのコラボレーションが見れたらと願うばかりです。