場の編集力が街の魅力を掘り起こす「CASICA」

かつて新木場は貯木場として栄えました。

いまでも沢山の材木屋が集まっています。そういう場所の歴史の延長線をどう描いていくか?未来永劫隆盛し続ける産業というのは無いので、街が魅力的であり続けるためには時代の変化を場に反映したり、新たな時代そのものを作っていく必要があります。

出典:Googlemap

材木倉庫をリノベーションして、雑貨・古道具販売やカフェをやっている場所があるというので行ってきました。その名も「CASICA」。

そもそも材木倉庫というものがどういうものかわかっていなかったのですが、なるほど。外観をみてなんとなく理解しました。長い木材を運び入れたり移動したり加工するのに合わせて天井が高く、仕切りの無い大空間になっています。

昔の屋号なのか、「福清」という文字が建物の個性を際立たせます。一方外には鉄骨の枠組みと緑がワイルドな印象を与えるテラス席が。錆びた鉄骨だからなのか不思議とこのオシャレさが「福清」にマッチします。

入り口右手にまず目に入るのが、年代物の建具が目を引くキッチンカウンター。テーブル席があり、カフェと食事を楽しむことが出来きます。ちょうどお腹が減っていたので、オススメメニューの薬膳カレーを注文。とても手際がよく10秒くらいで出てきたのには驚きましたが、スパイスが効いていて美味でした。

天井が高く、それを活かしたディスプレイが目を引きます。明確に空間が仕切られているわけでは無いのですが、大まかに雑貨エリア、観葉植物エリア、古道具のエリア、食器のエリアを感じることができ、一つの大きな空間でありながら、単調にならず楽しめます。

一番すごいなと思ったのが、品物の個性です。最近よく街で目にするいわゆる「ライフスタイルショップ」にありそうなものが一切ありません。丁寧に集められた暮らしの道具が満載されています。

 民族資料館か?と思わせるほどの品揃えでした。

一般家庭で使うものだけではなく、お店を始めたい人も必要を満たせる場所だと思います。

ゼロから作られたピカピカの施設であればこの品物達も場に馴染むことはなかったでしょうし、木材倉庫だったからこそ本来の価値や魅力が人に伝わるのだと感じました。建物の過去の歴史を紐解いて、空間を活かす。空き家や同じように廃業した工場など、ただ壊してしまうのではなくうまく「編集」するすることで、活きる道もあるのだと実感できました。

名前は知っているけど、なかなか行くことのない街新木場。これをきっかけに是非!!


CASICA

https://casica.tokyo/

営業時間:11時〜19時

定休日:月曜日(月曜日が祝日の場合、翌火曜日)

※最新情報はHPをご確認ください